面白いことに、モントリオールとオタワで打ち合わせがあったのだという。
喜んで、家に呼んででBBQを楽しんだ。
相変わらず、事業部長や上司の批判から、今後のビジネスの話で盛り上がる。
私も前職からのアメリカのお客のプロジェクトを引き受けているので、他人事でもなく、一緒に盛り上がった。
彼らは北米担当なので、これからも一緒に仕事をすることになる。
こういう大企業のノリは懐かしいし、これはこれで面白い。
ちょっと暢気で余裕がある感じもする。
こういうのが合っている人にはやはり大企業がいいのだろうなあ、という実感である。
中国に赴任中の私より10歳近く若いエンジニアも同行していたのだが、彼がいった。
「よく決心して、会社辞めて来ましたね。自分にはそんな度胸はないですよ。」
まあ、普通はそういう反応だろう。
「でも、いいですねえ、こういう生活が出来るんなら。」
これは半分社交辞令だろう。
昔、AIWAというメーカーがあった。アジアで安く製品を造って、非常にパフォーマンスが高いと評価されていた時代があった。
それから数年して、中国、台湾の安売り攻勢の前に、差異化できずあっという間に赤字企業に転落。本体のソニーに吸収されるも終にはブランドも消えた。
メーカーは本当にぎりぎりのところでやっているのだなあ、という実感であった。
例えば、為替とか、石油の値段一つとっても、あっという間に少し前の世の中の常識がすごい勢いで変わっていくのだ。今後何が起こってもおかしくない。
なので、自分に不本意な仕事をやらされているのであれば、次を積極的に考えて、行動していかないといけないのだと思っている。
受身でいては、何かあったときにリカバリーできないかもしれないし、会社をあてにも出来ない。
そういう意味で、私個人としては、大企業で不本意な仕事を続ける度胸はなかったと言えるのだ。
ちなみにこの彼、日本人という理由だけで中国人女性にはすごくもてている、と嬉しそうに言っていた。
彼が不本意ながら仕事をしているということはないようだ。