2007年10月23日

半導体工場の売却について

例の半導体工場の売却の件である。

最先端ラインのみ売却し、新会社設立だという。
これは考えてみると凄い話だ。

今までの日本の半導体のラインというのは成長(微細化)が前提で投資が行われるサイクルであった。

つまり、

1.最先端ラインの構築
2.歩留まり向上
3.安定稼動
4.償却完了
5.見込みでつくりだめ、後、人件費の安い国へ装置売却
1へ戻る。

という繰り返しだ。勿論売却しないで、最先端プロセスの必要ないプロダクト向けへの転用という場合もあるが、基本的に装置の運用コストと人件費が高い国ではなかなか見合わないのが現実だ。

ニーズが減ってきたから日中だけラインを動かすとか、一般的な工場のラインのようにはいかない。

で、最先端ラインを売り飛ばすってことは、今後これ以上の微細化を進めることはないということだ(当たり前)。

ということで、古いラインはどうなるのか。
数年は現用のプロダクト向けに生産が続く。

が、5年後になって、まだ同じものを作るのか?

微細化の進んだラインで、同じものを1/2のコストで作れるようになっているのに?

ということは、残りのラインはいずれ売却されるなどの処置が遠くない未来に待っているといえよう。

そのとき、でかい工場の従業員や設備はどうなるのか。

今回最先端ラインしか買い取ってくれなかったということは、後は要らなかったということなのだろう。

JMMの真壁昭夫(信州大学経済学部教授)の記事が興味深い。

それによると、わが国の家電メーカー(その中には、産業電子や重電部門を持つ企業も深まれています)のパラメーターは、過去十数年間着実に低下していることが分かります。また、携帯電話や半導体など個別の製品の世界シェアの推移を見ても、顕著に低下していることが見て取れます。特に、80年代、わが国が“世界の工場”といわれていた時期、世界シェア約8割を誇った半導体が、韓国や台湾メーカーからの追い上げを受けて、約7%まで落ち込んだことはとても印象的です。  

そこでの疑問は、何故、わが国の電機メーカーの競争力がこれほどまでに下落したのかです。たぶん主要な要因は三つあるのではないかと思います。一つは、わが国の賃金水準が高いことです。製品のプロダクトライフサイクルを考えると、製品の発売初期段階では、技術力が大きな要素を占めることが一般的です。その段階では、日本企業が優位性を持っていたと考えられます。  

ところが、製品が出回り、ライバル企業が技術をキャッチアップしてしまうと、技術的な優位性は維持できません。そうなると製品はコモディティー化し、差別化が困難な段階に至ります。そして、競争力の主なメルクマールは生産コストになります。その場合、最も大きなコスト要因は人件費になりますから、賃金水準の高いわが国の企業には不利になります。  

二つ目の要因は、わが国の家電メーカーの再編が遅れていることです。わが国の企業再編の遅れは家電メーカーだけに限りませんが、この分野はビジネススクールのケーススタディーになるくらいの典型例といわれているようです。この分野には、数多くの相対的に規模の小さな企業があるのですが、世界の有力企業に匹敵するような規模の企業は極めて少数です。  

企業規模が小さいと、多額の製品開発費負担に耐えることは難しいと思います。また、企業数が多いと、国内の限られた研究者などの資源が多数の企業に分散します。それは、経済のグローバル化が進む現在、企業にとって有利な状況ではありません。  

もう一つは、ビジネスモデルの問題です。わが国の家電メーカーが世界のトップから落ちるとき、二つの方向からの脅威を感じたはずです、一つは、韓国や台湾などの下からの追い上げです。もう一つは、欧米の有力企業が、知識集約性・付加価値の高い分野を見つけて、そちらへとビジネスモデルを変えていったことです。  

わが国企業は、下からの追い上げにさらされると同時に、欧米の上位企業の動きにもついていくことが出来なかったようです。その結果、当初は高いマーケットシェアを誇っていた分野で、いつの間にか、ほんの僅かのシェアを握るだけの地位に追いやられることになったと考えられます。
 

7%ですか..
確かに欧米の上位企業にもついていってませんし。
再編おこるでしょうなー。


かつて、NHKスペシャル 電子立国 日本の自叙伝なる番組をわくわくして見たものだがなー。さびしいぜ。


例の工場、知り合いがいるのでメールしてみたら、こんな返事が返ってきた。

先端開発はやらないって方針がでたので、
半導体の先は見えていますよ。。

むしろ何処が買っても、超リストラやってスリム化して利益を出し続けて欲しいと思ってるぐらい。。

日本で製造業やること自体、半導体同様に難しいことで、
何か特別な付加価値があるビジネスじゃないと、将来は厳しいでしょうね。。
やっぱり公務員かなぁ〜


やっぱ公務員ですなー。


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posted by りもじろう at 10:39 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>やっぱり公務員かなぁ〜
さすがは社会主義国家。
官僚が一番でかい顔をするんですね。

ところで、みんなが公務員になると、一体誰が税金を納めて彼らを養うのであろう?
Posted by at 2007年10月23日 17:30
自立したエンジニアを目指して迷走中のひろです。お久しぶりです。
去年まで半導体部門にいたので、反応してしまいました。

うちの会社も65nmとか45nmとか巨額の投資をして工場建ててますが、結局採算あわないんですよね。微細化して歩留まりを上げればコストメリット大!なんて言いますが、それだけ作って売らないと絵に描いた餅なんです。

対内の商品事業部だけでは工場がスッカスカなので、必死になって外販しようとするも競争力でシリコンバレーのベンチャー企業に及ばず撃沈。つい先月もターゲットにしていたメーカーが別の大手企業と提携することが報道されてました。

首脳陣は「キーデバイスは内製!」と呪文のように唱えておりますが、ここはひとつ某社のように見直しが必要ではないでしょうか。

Posted by ひろ at 2007年10月23日 20:36
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