昔の職場の課長は、ある特定の会社、A社限定であった。
どんな開発業務が来ても必ずA社に依頼する。
開発費は言い値で、価格交渉はしない。
ましてや合い見積もりを取ったりもしない。
そのため、価格もかなり割高であった。
課長がバックについているし、必ず仕事が貰える状態だっため、A社と他のPLとの間の軋轢が酷くなっていた。
A社を使うな、という声も大きくなったが、そこは課長の権限で、絶対にやめなかった。
この課長は、Fake furをおかぶりになっていた。
界面が明らかに不自然で、ツートンカラーだったのだ。
それを見て、気付かない人はいない。
それが、ある日、妙に白髪がうまい具合に入った高級品をおかぶりになっていた。
「おおっ」
その質感には皆驚いた。
きっと裏に
「A社寄贈」
と書いてあるに違いない。
誰もがそう思ったものだ。
そして、その後もA社を使っての快進撃が続くのだった。