この人も、ものすごい優秀な人であった。さすが、受験生憧れの大学卒だなーと思ったり。
色々と教えてもらい、大変勉強になった。とてもやさしい、いい先輩だった。
ただ、この人の場合、まったくといって積極性のない人だった。野心もない。そして覇気がない。大学院の研究室のころから、それで教授に日々怒られていたらしい。
新しいことをしようと思わない。
常に言われたことしかしない。しかし、言われたことは完璧にこなす。
そんな性格なので、突出して出世したいとか、転職したいとか、ましてや独立したいとか、考えない。
ただ現状を愚痴りながら、結構楽しく生きているタイプだ。
ある程度の歳になって、子供も出来たので、家を買い、その途端に転勤命令がでた。それに逆らうこともなく、単身赴任している。
現地で、本人の希望に関わらず、マネージャーのポジションを得て淡々と仕事をこなしている。
こういう人こそ、日本企業を支えているのだと思った。
辞めていった彼と同様、能力は非常に高いが、考え方はまったく違う。
自分がぴったりあう居場所はどこか、考えさせられる二人だ。