2006年08月30日

去り行く人材

ある人と久しぶりに会ってゆっくり話をする機会があった。

ずいぶん前、彼は、新人として私のチームに配属になった。
彼は外国人で、4ヶ国語を使いこなし、日本のトップレベルの大学を卒業後、日本で就職した。
一緒にプロジェクトを進めたが、判らないことがあっても、少しヒントを与えると、てきぱきこなしてくれた。
非常に能力が高いと感じた。

その後の組織の変更で、残念ながら仕事を一緒にやることはなくなってしまった。

彼は、非常に上昇志向の強いタイプだった。一つのプロジェクトをこなし、評価され、ポジションがあがり、さらに大きなプロジェクトを責任をもって進めたい、という意思が強かった。

部長も彼を評価しており、彼にもっと責任ある仕事をさせたいと3年間、人事と掛け合った。
しかし、人事の反応は、やはり年齢的なものを重視し、3年間据え置きにさせられた。

何とか、来年こそはとがんばっていた彼は、さすがに3年もたって、あきらめてしまった。そして日本企業の仕組みを理解した。

彼は、タイミングよく外資系の大企業からヘッドハンティングされた。
悩んだ結果、その会社に移ってしまった。

そして、世界中から集めた、普通にMBAを持っているような優秀なメンバーで構成されたエリート育成プログラムに組み込まれ、色んな現場でプロジェクトを任されているという。

そこはそこで、現場たたき上げとの軋轢なんかもあって、楽しいばかりではないらしいが、いい経験をしているようだ。

こういうプログラム自体非常に外資系らしいところだ。

退社の際に彼はこう考えたという。

15年後の自分をイメージしたときに、このまま年功序列で順番待ちをしながら仕事を進めても、夢が持てない。

確かに、ポジションのない40過ぎのおっさんは一杯いる。

実力があって結果を出せば、年齢に関係なく評価される、欧米系のやりかたのほうが、がんばりがいがあるのだと。

早く決断できてよかったと思う。




posted by りもじろう at 09:53 | Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

[転職]はてな:日本のIT・WEB制作業の人材確保裏事情
Excerpt: http://q.hatena.ne.jp/1184913023 こっちは「こちら側」の話. 私はIT・WEB制作業に関する会社で人事をしております。 A:私も数年人事をしておりますから、面接時の受..
Weblog: カレーなる辛口Javaな転職日記
Tracked: 2007-07-21 02:10