2006年05月02日

デモ

開発しているシステムは順調に形が見えてきた。

そろそろ一度部長にデモをして喜ばせてやろう、などと考えていた。

アメリカでは毎日のように進捗を確認され、ことあるごとにデモをして自分のアウトプットをアピールしなければならなかった。

日本では週に一回の進捗報告があればいいほうで、それも会議での発表のみである。適当に誤魔化してもばれない。ここでも性善説的マネジメントである。

むしろ進捗報告会のエクセルの書き方などに注意がいったりする。

「それは、リスクだ」

「それは、問題点にあげるべきだ」

という調子だ。表の書き方なんかより、本質的な進捗を確認したほうがいいんじゃないのかと思ったりもしたが、基本的には発表者の報告内容は信用することになっている。

とりあえず、金曜日の時点で部長にデモを見せようと思っていたが、一部バグがあったのが気になっていたので、月曜に見せることにした。

部長とは、今後のプロジェクトの進め方から、組織の体制について議論をした。
私が担当するプロジェクトは、部長と私でヨーロッパの顧客に直接出向いて、緊密な関係を築いており、非常によい展開で進んでいた。


日曜日に課長から突然、電話が入る。

「部長が亡くなった。」

心臓発作であったらしい。

まったく予想もしない展開に頭は真っ白だった。

数日して葬儀が執り行われた。

部長もアメリカ赴任の経験があったが、帰国後、単身赴任をしており、家族と過ごした時間は少ないようだった。

葬儀のときに飾られた写真が、もう5年も前の赴任時の家族写真だけだ。
笑顔で家族ととった写真がこのときしかなかったのか。
健康だけが自慢という人だったのに。

子供もまだ10代だ。

私は淡々と開発を続けるしかなかった。
自分の事故で「死」を感じたときのことをまた思い出した。

悔いの無いように、やりたいことをやらないとだめだ、強く思った。







タグ:デモ 進捗
posted by りもじろう at 09:30 | Comment(0) | TrackBack(1) | なぜ移住・独立しようと思ったのか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2006-05-02 12:37
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