こちらのエントリーを読んで、まったく私も同意見である。
勿論そうでなければ、私自身英語圏の国に移住して、子供を現地校に通わせたりはしない。
1)外国語を早い時期、例えば小学生時代から学ぶと、言語能力に悪影響が出る。カナダでも首都であるオタワでは、英語とフランス語の早期教育を進めている。すばらしいのは、英語が母語の人は小学校低学年からフランス語で授業が受けられるが、高学年になってから、という選択も可能なことである。
母語がしっかりと根付いていない子供の場合や、言語能力の差によっては、低学年から複数の言語を習得するのが難しい場合も見受けられた。なので、そういう子供の場合は、低学年では一日一時間のフランス語の授業から始められる。
こういう選択肢が用意されれば、母語形成の妨げになるという問題は解決するであろう。
一方で日本の小学校の英語教育で、週に数時間の授業というのは、多分ほとんど意味が無いだろうし、それでは早期教育とすら呼べないだろう。やるならシンガポールやカナダ、ヨーロッパのいくつかの国のように徹底的にやるべきだ。
2)外国語が下手でも日本人は立派にやってきたし、やっていける。私がソニーにいたときも同じ意見の人は結構いた。ある部門長なども、
.. 良いものを作っていれば黙っていても海外から製品を買いに来る、
「英語なんて下手でも通じりゃいいんだよ。」
といって意味不明の英語を手振り身振りで堂々と喋っていた。
しかし、それはあくまでもソニーの看板があってこそ話を聞いてくれるのである。
普通にあの程度の英語しか喋れない人が営業しに行っても、誰も話を聞いてはくれない。
我々の子供たち世代が仕事をするころに、下手な英語を打ち消すほどのブランド力のある会社が存続しているとは限らない。
3)英語が必要なのは日本国民の一部だけなので、それ以外の一般人は英語を習う必要がない。仕事の選択肢が広がるという意味では全員必要かと思う。
しかし仕事に活かすとなると、中途半端な英語力ではこれからますます意味がなくなってくるであろう。
なので仕事の選択肢が少なくてもいい、日本語限定で問題ないという特殊な環境の人は、いっそ英語をまったく勉強しなくていいオプションがあってもいいように思う。
幸い8歳と5歳の娘たちの母語である日本語は、今のところ年相応に発達している。日本のテレビなども見られる環境にしているため親以外の日本語もよく覚える。
(クレヨンしんちゃん以外で「おら」っていう日本人には会うこともないだろうし)
補習校での週一回の授業や日本語の教材などでの自宅学習、寝る前の読み聞かせなどをしているのも役立っているようだ。
こちらのエントリーを見ると、NZでは日本語は結構人気があるらしい。
この新聞記事によれば、現在NZ国内のSecondary School(中学・高校→NZにおける外国語学習者の最も多い年齢層)における中国語学習者は約2000人(近い将来5000人には増やそうという思惑があるそうです)だそうで、一方で、フランス語は約27000人、日本語は約17500人というデーターが出ています。娘たちには中学になって本人がやりたければ、中国語やフランス語を勉強すればいいと思う。そうすればさらに仕事の選択肢だけでなく、色々な文化への理解が深まり人生がより豊かになるに違いない。
外国語習得についての以前のエントリーはこちら。