2010年03月31日

市場主導の食料自給率向上はあり得ないのか

日本では食糧自給率を上げるべきかについての議論があるが、市場競争力があって自給率が上がるなら誰も文句は言わない話なのであろう。

NZでも、補助金による強化か、市場主導かという選択に迫られたことがあったらしい。原文
Dairy farming in New Zealand wasn't always this sophisticated. But ever since a liberal but free-market government swept to power in 1984 and essentially canceled handouts to farmers - something that just about every other government in an advanced industrial nation has considered both politically and economically impossible - agriculture here has never been the same.

1984年に政府による補助金の停止により、市場主導に移っていったとのことだ。

農政農協ニュースの記事
一方、大臣コミュニケでは各国が「国内農業生産」を強化することの重要性も強調したが、これについては「市場主導と、補助金付きの政策主導の生産強化とでは大きな違いがある」と指摘。この議論の背景には、今回の議長国だったニュージーランドで1990年代に進んだ市場主義的改革の成果が強調されたという。
 議長を務めたカーター農相自身が農業者で「構造変化や混乱も起きたが、生産は伸び、補助金なしで農家の生活は安定した。古いやり方に戻りたい農家はいない」という考えが示されたことを披露、貿易も含めて自由化を前提にした国内生産の強化が食料安保につながるという議論だったことを強調した。
農協発信という、まさかのブラックジョーク。

義父が富山で兼業農家をやっている。
やはり飛び地の小さな田んぼを、年に数回しか使わない高価な農機具を使って稲作をしているのを見ると、改善の余地がある気がしてならない。
富山は平野が広く、素人目には大規模化しやすそうに見える。
酔った勢いで、義父と効率化について議論しようとしてみたが、これまで何度も激しく否定されてきた。

しかし、米は確かにうまいのだ。NZで食べる米に比べるとそれはもう圧倒的な違いである。
効率化と高付加価値で、市場主導で成長する余地は本当にないのだろうか。

ところで、先日「JA高岡ニュージーランドxxの旅」みたいな観光バスが二台、信号待ちの私の前に止まった。
「お、高岡か。」と思って中を眺めていると中のガイドさんが何故か私に会釈。
私もつい会釈して返すと、近くのおばちゃん、おじちゃんが私に手を振って来た。つい私も振り返すとバス中全員で! いやいやいや。

若者の海外旅行離れという話は聞くが、この年代の方は海外でも元気でいいですね!(経済的に)

よく聞くNZの食料自給率が300%という数値は都市伝説らしいが、引用元
穀物以外の食料(肉類・酪農品や野菜・果物といった農産物)をみてみると、国内消費と比較して肉類・酪農品で何と20倍、農産物でもほぼ同額が輸出に回されているからです。
肉類・酪農品は2000%ですと。まあそりゃそうか。
有事の際だろうが、農産物を誰も買ってくれないと困る国もあるということは確かである。
posted by りもじろう at 14:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュージーランドの生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月22日

終わってる企業

ikedanob
東大生ってバカだね。このベスト10の会社は、みんな終わってるよ:大学別就職人気企業ランキング(東京大学編)http://bit.ly/dqhCdF

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そしてわが母校大阪大学はこちら。
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ソニー相変わらず人気ありますなあ。

posted by りもじろう at 17:09 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月09日

ベーシックインカムとビジネスのしやすさ

NZに来るまでほとんど意識したことがなかったのだが、NZには手厚い手当が各種あるようだ。

市民権か永住権を得て二年以上たつと失業した場合に失業手当てが出る。驚いたのはそれが無期限ということだ。物価上昇に応じて毎年増額されているし。
さらに子供手当て住宅補助も充実している。基本的な医療費もかからない。
10年以上住んでいるだけで65歳以上は年金もでるらしい。

私のように子供二人の夫婦だと、家賃補助なしでも月2000ドルちょっとになる。余裕のある生活とは行かないが、持ち家の知り合いが普通に暮らして一家族で月3000ドルぐらいの支出といっていたから、切り詰めれば、まあ何とかやっていけるように出来ている。

最低賃金が時給12.75ドルだからフルタイムで一月2000ドルちょっと。
最低賃金で働いているのってどうなの?ということになってしまう。

面白いのは手当ては税金から出ており、日本や北米のように就業期間に失業保険を払うという形ではないのだ。だから永住権をとって二年間生き延びれば失業手当がもらえるようだ。
勿論国としても色々手を講じて、仕事に復帰するようなプログラムは設けてあるようだし、個人個人で条件があるみたいなので詳細は不明だが。

考えてみると街中でホームレスをほとんど見たことが無いのもそのためだろうか。
マオリの人が、たまに道端で「チェンジプリーズ」とかやってるが、どうやったらそんな太れんねん!と突っ込みたくなるようなデブだったりするし。

日本で盛んに議論されているベーシックインカムってまさにこんな感じなのかもしれない。
NZなんて思いっきり債務国なのに。

ビジネスのしやすさランキングで2位(pdf)だったりするが、さらに失業時のこの安心感があれば相当起業したくなる国なのであった。

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posted by りもじろう at 16:33 | Comment(5) | TrackBack(1) | ニュージーランドの生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする