上の6歳の娘は土曜に日本語学校に通わせている。
何人か仲の良い友達が出来て、日本語で話しが出来るのでうれしいようだ。
どうやらうちの娘を除いてそこに通っている子どもたちの両親はカナダ人と日本人の国際結婚である。
そのうちの一人のSちゃんが娘と仲良くしてくれていることは前から聞いていた。
授業終了時に家族で迎えに行ったときのことである。
授業が終わるの教室の外で待っていた私の目の前を、どこか昔に会ったことのある女性が通り過ぎた。
「あれ?」
その瞬間、目が点になりつつも、私の脳は過去の記憶をたどる。
向こうも私の顔を見た瞬間同じ表情である。
「あ!」
私は大学生の時、留学生専用の寮に出入りしていた。
そこは良心的なオーナーが留学生だけに安い家賃で部屋を貸していた寮であった。
色んな国の人たちと交流できるのが楽しくて、パーティーなんかのイベントがあると参加させてもらっていたのだ。
その留学生の一人であった韓国人の女性だったのだ。
なんと驚いたことに、その彼女こそが、娘に仲良くしてくれているSちゃんのお母さんだったのだ。
「なんでオタワに!?」
当然、同じ質問を発した。
彼女の経緯はこうである。
彼女は、当時から韓国語は勿論、英語、日本語に堪能で私と同じ大学に留学してきていた。
そして、さらにフランス語を学びたいということで、同じ寮で知り合ったフランス語系カナダ人にフランス語を教えてもらっていたのだという。
その縁で、その人と結婚することとなり、オタワに7年前に引っ越してきていたのだ。
娘には、普段韓国語で話をして、学校の授業はフランス語、週末は日本語を習わせているという。
英語はこれから学校で学ばせるということだ。
彼女は、そんな経験から子どものマルチリンガルについての言語学の本を2冊出版しているのだという。
カナダ人と韓国人の子どもが、母国語と英語以外に日本語も学んでいるなんてすごい。
しかしこんな日本人の殆どいない街の日本語学校の、たまたま娘が友達になったSちゃんの母親が、私の知り合いだったとは。
人生何があるか分からないものである。

