年末に「ITがインド社会を変える」という番組を見た。
伊藤洋一氏がインドに行って、取材したものだ。
特に印象的だったのは、最低カーストの若者たちの姿であった。彼らはインドで最も貧しい生活を強いられている。
これまでだとその生活を受け入れるしかなかったのだが、ITの力によって会社を興し成功するものが現れている。
紹介されていた予備校の校長は非常に優秀だったため、かつてアメリカで数学を学ぼうとしたが、渡航費を捻出できず夢を諦めなければならかったそうだ。その経験から、出来るだけ安い学費で多くの貧しい学生に学んでほしいのだという。
貧しい親は借金をして予備校に子供を送る。
子供は朝の5:00から夜の12:00まで勉強をしている。学生の目は真剣そのものだ。輝きが違う。
ぎゅうぎゅう詰めの教室で、居眠りしているような人は一人もいない。
雨の吹き込む建物で傘をさしながら、濡れたノートに必死に書き込む。
カースト制度に縛られた生活から脱却できる、という明確な希望があるため、必死に勉強しているのだ。
伊藤洋一氏も
「日本ではもう絶対に見られない光景」
と言っていた。
この予備校では50人ほどがインド工科大学に入学したと伝えていた。
一方で、人口の8割を占める農業従事者は、グローバリゼーションによる競争にさらされ、自殺者も増えているという。
インドにおけるグローバリゼーションは諸刃の剣となっている。
単純に日本の若者に、こういうハングリー精神を見習って、今の状況に感謝して勉強しろ、といっても通じないであろう。
学生だけでなく、社会人にとっても同じことだ。
自分たちの貧困からの脱出手段がITだと信じて疑わず、死に物狂いで勉強するインド。
経済的に豊かになって、理工系離れが進む日本。
非常に対照的だ。
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